むかしむかし、ある山奥に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
二人は貧乏でしたが、とても働き者で、朝から晩まで畑を耕したり、たきぎを拾ったりしていました。
「お金なんかなくても、こうして元気に働けるのが一番じゃ」
「そうですね。これもみんな、神さまのおかげですよ」
そう言って二人は、山の神さまに手を合わせるのでした。
さて、ある日の事、おじいさんが畑を耕していると、くわの先に何かがコツンと当たりました。
「おや? 木の根っこでもあるのかな?」
おじいさんが手でさぐってみると、地面から直径22mmほどの一本の棒切れが出てきました。
「なんだ、木の枝か」
おじいさんは棒切れを拾うと、後ろへポイと放り投げました。
すると棒切れはクルクルクルと三回回って、おじいさんの目の前にすとんと立ったのです。
「はて、何ともおかしな棒切れだ」
おじいさんは棒切れをつかむと、今度は空高く放り投げました。
すると棒切れは、今度も空中でクルクルクルと三回回って、またまたおじいさんの目の前にすとんと立ったのです。
それからおじいさんは何回も棒きれを放り投げましたが、何度やっても同じです。
不思議に思ったおじいさんは、おばあさんを呼んできて、同じように棒きれを放り投げさせました。
するとやはり、棒きれはクルクルクルと三回回って、おじいさんの目の前にすとんと立つのです。
「へえ、まるで生きているみたいだ」
これがのちの
ペリダイスです。
なんてね!
おしまい
(もとは島根県の民話です。勝手に変えてすみません)
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